行政書士:鹿内節子

士業に独占業務はないほうがいいのだろうか? | 社長の節税、会社の社会保険料削減の確定拠出年金


テーマ:エッセイ

先日、中小企業診断士の人と話していて「独占業務はないほうが
いいと思う」と言っていたので、逆説的ではありますが
正論かもしれないと思ったのです。

 

 

独占業務をたくさん作ってなわばりを囲って、自分たちだけが
その仕事をする。一見よさ そうな戦略に見えますが、案外
自分たちの首を絞めているような気がするのです。

 

 

たとえば独占業務を2000年に決めたとします。その10年後
20年後の法律や時代背景、貨幣価値は変わらないのでしょうか?
仕事の現場からどんどん人が消えている現状はご存じですか?

 

 

無人化です。駅や乗り物、受付、通信、昔は人がしていた
仕事が自動化されています。寿司だってロボットが握る時代です。
事務をしていたOLというお仕事。ほぼ正社員ではなく派遣社員
でいいですよね。時間給はどんどん安くなります。また、パソコン
記帳も値下がりしています。外国人が入力している所もあり
低価格競争に突入しています。

 

 

行政書士の仕事で抱える事務仕事は、賃金の安い派遣社員でも
指示されればすることはできます。もはや書類作成には
ほとんど価値がないとも言えます。

 

 

私が平成3年に始めた外国人の在留資格を取得代行する仕事は、
扱う行政書士が少なかったこと。入国管理局からの情報が
まだ少なかったことで、言い値でブルーオーシャンでした。
先行者利益があった時代です。

 

あれから、24年経って、体験した外国人の持つ情報も多くなり
取次行政書士も増え続け、価格は値崩れしています。
また、独占業務ではなく弁護士も介入してきました。

 

 

このように独占業務といったところで、その価値は時代と
共に下がってしまいます。だから、陳腐化した独占業務を
安い価格で継続するより、新規業務を開拓することに力を
注いだ方が良く、柔軟な姿勢で時代の流れを読んだ
仕事を創りだすほうが生き残れる。そんな意味にとって
います。

 
イノベーションというと、少し胡散臭さがただようのですが、
もともと保守的な士業気質ですから、少し飛ぶくらいが
ちょうどいいのではないかと思います。

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(鹿内節子)